外国人の雇用で販売・サービス業の課題を解決しよう

少子高齢化による日本の総人口減少に伴い、販売・サービス業界では、人手不足解消のために「外国人雇用」を取り入れる企業が増えています。 ここでは、外国人労働者が増えている背景や、外国人雇用で「人手不足などの課題」を解決するための方法についてご紹介します。さらに、外国人雇用に際しての「働ける条件」や「手続きの方法」まで詳しくみていきます。


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日本の販売・サービス業の実態

日本の販売・サービス業では、外国人労働者の雇用も増えています。その理由には「インバウンド需要の増加」や「人手不足」などがあります。

ここでは、なぜ外国人雇用が必要なのか、日本の販売・サービス業の実態と、抱えている課題について紹介します。

インバウンドの需要

販売・サービス業界では、インバウンドの需要が増加し、外国人観光客の増加による「接客の多言語化」が急がれています。ドラッグストアや家電量販店、コンビニエンスストア、飲食店など、さまざまな業種で外国人の来客対応が必要です。

しかし、日本人スタッフだけでは多言語対応が難しいだけでなく、多言語対応が可能な日本人の雇用は、人件費が高くなる傾向にあります。

既存のスタッフを外国語研修で育成している企業もありますが、言語を習得するにはかなりの時間を要することが考えられます。また、言語だけではなく、宗教や文化に配慮した接客が求められる場合もあるでしょう。

外国人労働者の需要が増えているのは、インバウンド需要に対応するための「即戦力」が求められているからだと考えられます。

従業員の人手不足

販売・サービス業界は、人手不足が問題となっている業種でもあります。その要因には「労働時間の長さ」「賃金の低さ」「サービス残業の多さ」などがあり、結果的に離職率の高さにも影響しています。

特にここ最近は、コロナが落ち着いたことで「旅館・ホテル」と「飲食店」の人手不足が顕著になり、採用活動をしてもなかなか人材が集まらないという状況。

人手が不足し、従業員の業務負担が増えることで長時間労働を招いている形です。「長時間労働が多い業種」というマイナスイメージが、業界への就職志望者を減らす要因にもなっていると考えられます。

また、販売・サービス業界は、特殊な技能や資格を必要としない職種も多く「スキルを身に付けられない」「キャリアアップできない」などの懸念もあります。

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外国人の雇用で販売・サービス業の課題は解決できる?

販売・サービス業界の課題である「人手不足」と「接客のグローバル化」を同時に解決するため、外国人労働者の数は、身近な「小売業界」でも年々増加しています。

厚労省によると、2022年10月末現在、外国人労働者数は前年同期比約5.5%の増加で、182万人を超えています。

[参照]「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和4年10月末現在)|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

年々増加傾向にある外国人労働者数から、さまざまな企業において、積極的に労働力として受け入れている現状がわかります。

外国人労働者は、中国やベトナム、フィリピンなどのアジア圏からの就労数が非常に多く、特にベトナム人の雇用者が全体の約25%にもなります。

訪日観光客数については、2023年5月の訪日客数が約190万人となり、コロナ前の2019年5月の訪日客277万人と比べると、7割近くまで回復してきていることがうかがえます。ますます増える外国人観光客数に対応するために、外国人労働者はこれからも増加していくと考えられます。

[参照]日本の観光統計データ (jnto.go.jp)

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販売・サービス業で外国人を雇用するときに知っておきたいこと

販売・サービス業で外国人を雇用するとき、日本人の雇用以上に、さまざまな手続きが必要になります。ここでは、販売・サービス業で就労可能な外国人の条件や、手続きについて紹介します。

販売・サービス業で働ける外国人の条件

販売・サービス業で働ける外国人は、以下の条件を満たしている必要があります。

・フルタイムでの雇用
「日本人の配偶者等」「永住者」「永住者の配偶者等」「定住者」の在留資格の所持
※宿泊・外食業は特定技能ビザもあり

・週28時間以内の雇用
「留学ビザ」「家族滞在のビザ」かつ「資格活動外許可」を取得していること

さらに、2019年5月30日からの法改正により「特定活動46号ビザ(N1特定活動ビザ)」が施行されました。このビザは、日本の大学や大学院を卒業した外国人留学生を対象に、「日本語を用いた円滑な意思疎通を要する業務」を希望する場合に取得が許可されるビザです。

日本語能力は、日本語能力試験「N1」、もしくはBJTビジネス日本語能力テスト「480点以上」が条件になります。

「日本語を用いた円滑な意思疎通を要する業務」とは、翻訳・通訳要素のある業務や、自ら第三者へ働きかけるなど、日本語を用いた双方向のコミュニケーションを要する業務を指します。

いわゆる就労ビザ(技術・国際業務・人文知識)では、「単純労働」が許可されていません。そのため、「単純労働」にあたる販売・サービス業などの小売業での就業はできませんでしたが、「特定活動46号」は単純労働が主の仕事に就くことが可能なので、このビザを取得すれば、販売やサービス業の仕事に就けるようになったということになります。

[参照]留学生の就職支援に係る「特定活動」(本邦大学卒業者)についてのガイドライン | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)

外国人の採用手続き

外国人の採用手続きには、届出が必要になります。「外国人雇用状況の届出」のことで、オンラインもしくはハローワークを通じて、厚生労働大臣に申告しなければならないものです。

届出をせずに外国人雇用を行うと、30万円以下の罰金が科される可能性があります。また、前述のようなビザの取得手続きや、確認を行う必要もあり、手続きの難しさを理由に外国人雇用を諦めている企業もあるのではないでしょうか。

人材サービス会社の中には、各種手続きや届出をサポートしてくれるところもあるので、そういったサービスを利用するのも一つの手です。

 

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まとめ

販売・サービス業では、外国人雇用者を即戦力として求めている企業が増加しています。一方で、不法滞在や不正ビザによるトラブルも少なくありません。

外国人を雇用するには、ビザの確認と採用手続きが必須です。外国人雇用のノウハウのある人材サービス会社のサポートなどをうまく利用して、トラブルのないスムーズな採用活動を行いましょう。

また、外国人労働者が即戦力として活躍できるよう、入社時のマナー研修接客研修も用意し、受け入れ環境を整えることをおすすめします。
研修をご検討なら、ぜひイマジンネクストへご相談ください。