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訪日外国人はどこで情報を得ている?
観光庁のインバウンド調査によると、外国人観光客は日本を訪れる際、主に以下の手段で情報を収集しています。
主な情報収集手段
- SNS
- 動画サイト(2019年比で約2.5倍に増加)
- 個人ブログ
インターネット以外の情報源
- 日本在住の親族・知人
- 自国の親族・知人
- 旅行ガイドブック
多くの訪日外国人が、来日前にインターネットを活用して情報収集を行っていることがわかります。
[参考]インバウンド消費動向調査(旧 訪日外国人消費動向調査) | 観光統計・白書 | 観光庁
外国人観光客の集客に効果的な情報発信方法
外国人観光客の集客を効率良く行うには、多言語対応しやすいWeb媒体の活用が効果的です。ここでは、外国人観光客の注目を集めるためのサイトやブログ、SNSなどの活用方法について見ていきましょう。
自社Webサイトの活用
自社サイトは、自由度が高く多言語対応もしやすいため、外国人観光客向けの情報発信に最適です。
掲載すべき情報:
- – 住所・アクセス方法(空港からの行き方なども含む)
- – 営業時間
- – サービス内容と価格
- – アレルギー表示、ベジタリアン・ハラル対応(飲食店の場合)
注意点:
- – 機械翻訳だけに頼らない:不自然な表現になることがあるため、ネイティブチェックを推奨。
- – アクセス情報は詳細に:空港からの行き方や交通機関の利用方法なども記載。
- – 情報は常に最新に:更新頻度が高いほど信頼感が増します。
外部メディア(一次メディア)への掲載
訪日観光メディアとは、例えば、訪日旅行者に向けて日本の情報を発信するWEBマガジン「MATCHA」などの訪日観光メディアを指します。そういったメディアでは、タイアップ記事や広告出稿などのサービスも用意していることが多いです。
訪日観光メディアへの掲載は、認知度向上とSNS拡散に効果的です。専門ライターによる臨場感ある記事制作や、外国人ライターによるリアルな体験記事が魅力です。
旅行関連・宿泊などの予約サイトへの掲載
飛行機のチケットや宿泊先の予約時に使われるサイトへの掲載も大事なポイントです。サイトによっては、特定の国や言語に特化したサービスがあります。
代表的な予約サイト:
- – Booking.com
- – Expedia
- – Agoda
- – Hotels.com
ポイント:
- – ターゲット国・言語に合ったサイトを選ぶ
- – 登録は無料でも、予約成立時に手数料が発生する場合あり
口コミサイトへの登録
リアルな体験談が集まる口コミサイトは、信頼性の高い情報源です。代表的なものにはトリップアドバイザーがあります。個人が情報を発信でき、旅先でのリアルな感想が載っています。
主な口コミサイト:
- – TripAdvisor(欧米で高い利用率)
- – Yelp(アメリカ中心)
- – 大衆点評(中国)
店舗側が情報発信をすることも可能で、例えばトリップアドバイザーでは、施設や店舗を持っている事業者であれば、施設登録をして写真の追加や詳細情報の追加が行えます。
ただし、口コミサイトでは利用者各々が自由に情報発信を行えるため、事業者側で操作することができません。よい評価だけではなく、辛口なものも中にはあるかもしれません。訪日外国人観光客への充実したサービスを提供することが、満足度の高い評価へと繋がっていきます。
Googleマップの登録
Googleマップは、滞在中の情報収集に頻繁に使われるため、掲載情報を充実させておくことが重要です。
まずはGoogleビジネスプロフィールを登録し、
- ・営業時間
- ・住所
- ・メニュー
- ・店内や外観、料理の写真
などの情報を掲載します。
口コミを集めるためには、日々のサービス品質が鍵となります。接客態度や、外国人のお客様へのサポートなど、課題の改善に努めましょう。
ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の運用
SNSは、無料で情報発信・拡散が可能な強力なツールです。写真・動画など視覚的なコンテンツが投稿でき、リアルタイムで旅の様子を発信できます。
特徴:
- – 写真・動画など視覚的なコンテンツが投稿可能
- – リアルタイムで旅の様子を発信できる
- – ユーザーとのコミュニケーションも可能(予約のメッセージのやりとり等)
人気のSNS:
- – Instagram(特に若者・旅行好きに人気)
- – YouTube
- – TikTok
[参考]Digital 2025: Global Overview Report — DataReportal – Global Digital Insights
外国人観光客の集客力を高める工夫
外国人観光客を集客するために、単純にWeb媒体で広告や記事を掲載するだけでは、他社との差別化ができません。
どのようなポイントを踏まえて発信していくべきなのか、惹く力の強い情報発信の工夫について紹介します。
インフルエンサーの活用
YouTubeやInstagramなどで多くのフォロワーを持つ人材の影響力を活用する方法です。SNSで影響力のあるインフルエンサーを起用することで、情報の拡散力が高まります。
インフルエンサーの種類:
- – メガインフルエンサー(フォロワー100万人以上)
- – マイクロ・ナノインフルエンサー(数千〜数万人)
- – KOL(Key Opinion Leader)
とくに、特定のジャンルに強いマイクロインフルエンサーやKOL(Key Opinion Leader)の起用は注目されており、観光地だけでなくグルメなどの発信にも効果的です。
日本ならではの体験を提供する
外国人観光客の中には、来日した際に観光だけでなく、日本文化や一般的な日本人の食文化などを体験したいと考えている方も大勢います。
人気の体験例:
- – 寿司・和食・ラーメン・たこ焼きなどの食文化
- – 着物での温泉巡り・街歩き
- – 和菓子づくり・伝統工芸体験
- – ウォシュレットや居酒屋の呼び出しボタンなどの“日本ならでは”の設備
一方で、国によって趣味嗜好や、日本へ期待している内容が異なることも事実です。どんな層にマッチするのか、どういったアプローチが適しているのかを冷静に分析し、集客を狙う層への的確なアプローチと自社ならではの工夫をすることが大切です。
インバウンド集客における課題と解決策
外国人観光客の集客を行う際に課題となるのが、受け入れ体制です。呼び込みに成功し、サービスに満足してもらい、また来たいと感じてもらうためには、環境整備やサービスの向上が重要です。
ここでは、外国人観光客を受け入れる際に考えられる課題とその解決策について紹介していきます。
文化・習慣の違いへの配慮
外国人観光客と日本人の文化や習慣の違いに対し、配慮が必要になります。日本のマナーを知らずにトラブルを起こしてしまうこともあり、必要な事項は事前に伝えておくなどの工夫が大切です。
対策:
- – 多言語表記の注意書き
- – ピクトグラムやイラストの活用
- – 宗教・食事・交通・温泉などのマナーを事前に案内
過ごしやすい工夫や配慮を行いながら、注意喚起を多言語化して行い、滞在中を快適に過ごせるようにすることが大切です。
キャッシュレス決済
海外では、キャッシュレス決済が主流となっており、観光地での導入も急がれています。QRコードやクレジットカードなどが使用できるように、受け入れ側も体制を整えておく必要があります。
現状と課題:
- – 海外ではキャッシュレスが主流
- – 日本では導入が遅れているケースも
対策:
- – クレジットカード・QRコード決済の導入
- – 決済手段の選択肢を広げることで、収益機会の損失を防ぐ
外国人観光客にとって、キャッシュレス決済の可否は快適に旅行するための重要な要素です。
キャッシュレス決済の導入により、手持ちの資金を心配せずに買い物などを行ってもらえる仕組みを整えることが重要です。
多言語対応
日本での滞在中に、言葉の問題で困った体験をした外国人観光客が多く、多言語対応への課題も指摘されています。
対策:
- – メニューやPOPの多言語表記
- – 従業員へのフレーズ周知
- – 案内役として 通訳案内士を雇用
- – 音声翻訳機や翻訳アプリの導入
- – 外国人スタッフの採用による文化理解とサービス向上
特に、海外の文化や風習にも詳しい、外国人労働者の雇用はおすすめです。多言語対応の問題が解決するだけでなく、母国の文化にも詳しいため、新たなサービスのアイデア抽出にも活躍が期待されます。
まとめ
外国人観光客の集客を成功させるには、情報発信・体験設計・受け入れ体制の整備が不可欠です。快適な環境を整えることで、日本の魅力をより深く感じてもらい、SNSでの情報拡散やリピーター獲得につながります。
インバウンド対策に取り組む企業や自治体の皆様にとって、本コラムが参考になれば幸いです。
イマジンネクストでは、従業員の研修や、マニュアルの作成等のコンテンツ制作も行っています。インバウンド対策でお悩みなら、ぜひご相談ください。