サービス業の労働生産性が低い理由?労働生産性を上げる方法をご紹介

日本では、サービス業における労働生産性が低いと指摘されています。労働生産性とは、「労働者1人あたり」もしくは「1時間あたり」に得られる成果について、数値化したものを指します。 労働生産性の向上は、企業が効率良く利益を生み出すために重要な要素です。労働生産性の向上により、利益アップや人件費の削減などのメリットが得られます。 ここでは、サービス業で労働生産性が低い原因や、労働生産性を向上させるためにできる対策方法について紹介します。


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サービス業における労働生産性が低い原因

労働生産性を向上させるためには、まず低くなる原因を突き止める必要があります。以下では、サービス業において、労働生産性が低くなる原因について見ていきます。

行き過ぎた「おもてなし」

日本のサービス業では「おもてなし」の精神による、細やかなサービスが受けられます。しかし、おもてなしの品質を追求するあまり、サービスが過剰になる場合もあるのではないでしょうか。

丁寧で細やかなサービスは、受ける側にとって気持ちの良いものであり、好印象を与えます。
サービスの付加価値を高めるためには、設備投資や充実した教育を行う必要があり、人材育成のコストも発生します。

投資額に見合うリターンとして、適切な価格設定ができているか、確認する必要があるでしょう。

過度な無料サービス

サービスの提供は利益を生む行為であり、本来は無償で提供されるべきものではありません。サービスのレベルに見合う価格設定にならず、利益が少なくなってしまうためです。

サービスは、形のない「無形の商品」です。商品が無償で提供されてしまうと、企業は利益が得られなくなります。

商品の無償提供が労働時間に含まれていると、人件費が発生しているにもかかわらず、利益が得られない状況になり、労働生産性の低下を招く原因となります。

業務の効率化がうまくいっていない

業務の効率化がうまくいっていない場合も、労働生産性の低下に繋がります。従業員1人あたりの業務量が多く、時間がかかりすぎている、などの例があります。

目の前の業務をこなすことに必死になり、労働時間内に業務を完了させ、成果を上げるためにはどうするべきかを考える余裕が無くなってしまうでしょう。

過剰な量の業務負担は、長時間労働が常態化してしまう原因になります。睡眠不足や健康不良により、モチベーションや集中力が低下し、労働生産性が下がるという悪循環を引き起こします。

デフレによる影響

デフレによって、商品やサービスの価格を引き上げることが難しい状況も、労働生産性が低下する原因のひとつです。

企業の利益が減り、人件費削減のために給与がカットされ、より低価格なサービスや商品に流れてしまうためです。

低価格競争を引き起こすと、ひとつのサービスや商品を提供したときに得られる利益が減少するため、労働生産性が引き下げられます

適切な価格設定が行えないデフレ状況下では、低賃金・長時間労働など、労働環境の悪化を招く恐れもあります。

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労働生産性を上げるための方法

労働生産性を引き下げる原因を知った上で、上げるための対策を講じる必要があります。ここでは、労働生産性を上げるための、具体的な方法について見ていきます。

ムダな作業を省く

社内の業務で、負担となっている点・無駄な作業・委託の可否についての洗い出しは、労働生産性の向上に繋がります。

アナログで行っている作業のデジタル化や、システムの導入による監理の一元化・可視化などの対策によって、業務の効率化を図ります。

勤怠や目標管理システムで一括管理を行い、社内SNSの導入で社員間の連絡のやり取りを簡略化する、などの方法もあります。

また、業務の中で委託可能なものは委託依頼するなど、既存の社員が本業に集中できる環境を整えることも大切です。本業に付随して不必要な業務が発生していないか、確認する必要があります。

業務を標準化する

社員一人に業務が集中しないように分散するためには、業務の標準化が求められます。「この業務はこの社員にしかできない」という状況を減らし、誰もがフォローできる体制を作る形です。

業務の基本的な内容や基準、進め方などをマニュアル化することで、ひとつの業務について「進行可能な社員」を増やし、負担の分散を行います。

また、標準化することで、どの社員が業務を行っても一定のクオリティを保つことも可能になります。マニュアルは、内容を社員同士で共有できるように管理し、適宜改善を行い、ブラッシュアップしていきましょう。

多様な人材を活用する

正社員の雇用だけでなく、時短勤務・アルバイト・パート・シニア世代の再雇用など、多様な人材をうまく活用することも有効な手段です。

また、近年増加している外国人観光客への多言語対応などを、既存の社員が対応できるようにと言語教育を行なっても、反って「時間とコスト」がかかってしまいます。

こういった背景もあり、母国語と日本語が話せる「外国人労働者の雇用」に注目が集まっています。サービスの多言語対応において、即戦力としての活躍が可能で「人材不足への対策」や「労働生産性の向上」に役立ちます。

 

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まとめ

サービス業では、労働生産性の高さが「会社の利益に直結」します。とくに、正社員を簡単に増やすことができない中小零細企業では、業務の効率化が急務です。

システムの効率化、業務の簡略・標準化に加え、言語教育にかかるコスト削減にも有効な外国人労働者の雇用を検討してみてはいかがでしょうか。

外国人観光客への対応が増加しているサービス業において、外国人労働者の雇用は即戦力になり、労働生産性の向上にも役立つと考えられます。

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