2023.10.07 本・読書
「サラバ！」西加奈子

キーワード：西加奈子

こんにちは。

ライフ・リノベーター　笹川祐子（https://twitter.com/imaginenext_ceo）です。

北海道の実家のある滝川市は昨日一昨日と雨が続き、寒くて、ストーブを炊いてしまいました。

寒くて我慢して風邪引いても困りますけど、東京に戻ったら、まだ過ごしやすい秋ですよね。

さて、オーディブル（耳読）では、ビジネス書から小説、最新の話題作まで聞けるので、読書量が加速しています。

小説の行間を読む楽しさがあるのですが、ナレーションの魅力も大きいなと思うこの頃。

先日、ナレーションが松坂桃李なので、思わずダウンロードして聞いてみたら、最高の小説でした。

著者、西加奈子の「サラバ！」

文庫版では、上・中・下とボリュームがある長編小説です。

松坂桃李の素敵な声、抑揚を抑えた話し方にどんどん引き込まれました。

さすが、文句なし、圧巻の直木賞受賞作！！と確信しました。

「あなたが信じるものを、誰かに決めさせてはいけない」

「自分の芯を持ちなさい」

主人公をずっと悩ませてきた奇想天外なお姉さんが言うせりふ。

これが全体のテーマになると思います。

自分が信じるもの、自分の芯を確立させる。

誰かと比較するものではない。

主人公が子どもの頃、エジプトで過ごし、エジプト人の子どもと親友になる。

この小説のタイトル「サラバ！」は、彼らがいつも交わしていた言葉なのです。

別れるときのじゃあ、また明日！という意味での「サラバ！」

大丈夫だよ！という意味だと思う「サラバ！」

物語の終盤、輝かしい20代から暗転した30代になった主人公がエジプトを訪問する。

街の様子やナイル川の風景など、私も行ってみたい！と強く揺さぶられました。

ところで、この表紙のイラストは著書の西さんが描いたものだそうです。

作中のお姉さんは幼少時から芸術家の気質を発揮しており、著者は多彩な方だと想像できます。

本の帯（下巻解説）を又吉直樹が書いていて、

「これは、あなたを魂ごと持っていく物語」と。

さすが、又吉さん。

若い人に絶対おススメできる小説です！

著者の最近のエッセイで、カナダでがんになった闘病記が書店でよく見かけます。

こちらも読んでみたいです。

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