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2013.08.19 本・読書
「超入門 失敗の本質」鈴木博毅

キーワード:入院経営

終戦記念日。

入院中だったけど、お昼に黙とうする。

この本、「超入門 失敗の本質」

読むほどに、辛い。

トップの誤りで多くの無駄死に。

今の日本、日本企業、わが社にも当てはまることが多い。

痛い。
  
心臓がバクバクする。
 
上に立つものの責任は大きい。
 
この元となる「失敗の本質」は、数人の先輩経営者から必読と薦められました。
 
「大東亜戦争における日本軍の組織的な失敗を分析。
 
なぜ開戦に至ったかではなく、開戦後の日本の作戦における「戦い方」を対象に、組織としての日本軍の失敗を研究。
米軍より物量や技術面で劣っていたのではなく、日本という組織が持つ構造的・精神的な特性こそが最大の敗因であることを明らかに」している本です。
 
実は読了できていませんでした。
 
なぜかというと、多くの無駄死にしてしまった若者や親のことを思うと本当に辛く、やりきれなくなってしまったから。
 
だって、戦争の最前線では、戦死者より餓死者が多かったっていう事実も、大本営の認識不足が招いた不幸。悲しい。
 
そして、もう一つ肝心だったのは、当時から私は成功ストーリーも好きですが、なぜ失敗したのか、ということを熱心に読んだり勉強していたんです。
 
でも、自社の状況はずっと順調だったので、真剣にそこから学びとろうとする貪欲さに欠けていたと反省しています。
 
で、改めてこの「超入門」本を繰り返し読んでみました。
 
この本は、戦略論でもあり「日本人特有の文化論」でもあります。
 
◆日本人の思考と日本の組織特有の弱点が、転換点で急速に露呈する。
 
◆「体験的学習」では勝った理由はわからない。指標を理解していない勝利は継続できない。
 
→【米軍】敵・味方の行動と結果を分析→勝利につながる効果的な戦略を選ぶ→勝利の再現性
 
→【日本軍】経験から偶然気づく→体験的学習察知→勝利に内在する指標を理解せず、再現性がない。一点突破、全面展開。
 
◆「居心地ばかりがいい」組織が、大きな変化を伴う過酷な環境で生き残れるか、大いに疑問。→安定を許さず危機感を維持できる環境。学び続ける環境。
 
◆イノベーションの芽は「組織」が奪う
→【米軍】現場の自主性・独立性を認める。意見交換・フィードバック
 
→【日本軍】権威主義 現場への無理解。一方通行、独断
 
◆不適切な人事は組織の敗北につながる
 
→【米軍】勝てない提督や卑怯な司令官をすぐさま更迭→勝利に向かって突き進む目標達成型組織へ
 
→【日本軍】結果よりプロセス、やる気を評価。→保身と無責任が蔓延していく組織へ
 
著者いわく「本書は、歴史から現代の日本人が、戦略やイノベーションの意味、現場を活かす組織論やリーダーシップを、新たな視点で学ぶことを目標に」
 
まさに、まさに、いろいろな気づきがあり、感謝です。
 
ちまたでは、アベノミクスで好況な業界や企業もあるでしょうが、全体としては、閉塞感に悩む企業も多いことだと思います。
 
「失敗の本質」という名著は、学術研究書で読むことは難解かもしれません。
 
ですが、機会があれば、ぜひ。
 
この本は、確かに、「超」入門とうたっていますので、「失敗の本質」原著の入門とは少し異なるかもしれませんが、とてもわかりやすく解説してくれる、すぐれたビジネス書です。
 
経営者やリーダー層はもちろん。
 
戦争を知らない若い世代の人に、戦争ってこうだったんだ、とわかる本でもあります。
 
そういう読み方から入ってもいいと思うのです。
 
役職者向けの課題本とします。
 
組織論、戦争を考える本。
 
ぜひ、ぜひ、ご一読ください。
 

☆今日の一冊
 
「超入門 失敗の本質」
著者:鈴木博毅
 
日本軍と現代日本に共通する23の組織的ジレンマ

名著「失敗の本質」を現代日本の問題と重ね合わせて23のポイント、7つの視点からダイジェストで読める本。

 

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