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2022.11.13 起業・経営・会社
ダイバーシティに取り組む大橋運輸の成功事例

キーワード:ダイバーシティ

こんにちは。

ライフ・リノベーター 笹川祐子(https://twitter.com/imaginenext_ceo)です。

先日、大分に行ってきました。

宇佐神宮にも参拝できました。

さて、飛行機内や列車内でも、大学院の論文のための本読みをずっとします。

ダイバーシティや男性育児など。

こちらの本の中に、ダイバーシティに取り組み地方都市で躍進する中小企業の成功事例が紹介されていました。

愛知県瀬戸市に本社をおく大橋運輸という企業です。

創業70年、社員数100人の老舗の物流企業。

物流業界はご存知の通り、トラックの運転手や荷物の運送という業務が多いため、男性中心の社員構成になります。

調べてみたところ、このように、「全産業の中で物流業界における女性社員比率は最低ランク」という総務省の「労働力調査」があります。

https://logiiiii.f-logi.com/series/logisticsopinion/the-statusandfuture-of-female-appointment/

ところが、大橋運輸は今では、管理職も男性女性が半々の比率でおり、LGBTQや外国人、障がい者、高齢者など多様な人材が活躍しています。

 

大橋運輸3代目社長の取り組み

 

20年以上かけてダイバーシティに取り組んできたのが、3代目社長です。

3代目社長の就任当時、物流業界は大きな規制緩和があり、事業所数は増え、競合が厳しくなっていました。

この業界は、当時3K(汚い、きつい、危険)というイメージが強く、常に人手不足でした。

人手不足の危機感や生き残るために、男性だけではなく女性の採用を始め、試行錯誤しながら色々やってきたのです。

この会社のことを詳しく知りたいと思い、社長のインタビューや広報社員のブログなど読むにつれ、企業努力に頭が下がりました。

3代目の新社長は地元の信用金庫で働く金融マンでした。

創業者の娘さんと縁があり結婚。

当初はずっと信金で働く希望を伝えていたそうですが、何年かたち、会社が債務超過の状態になったことを知り、「立て直さなければ」と決意、信金退職して入社しました。

一番苦労されたのが、それまでの社員さんとの価値観の違いです。

いろいろな葛藤が、オーナー社長の私には手にとるように分かりますし、社長の手記は涙なしには読めません。

安い仕事を多く受けることから付加価値のあるものへ。

その付加価値は挨拶をするとか身だしなみを整えるとか、きれいな形で梱包するなど、あたり前のことでしたが、既存の社員さんたちにはなかなか受け入れてもらえず、率先垂範で姿勢を見せてきました。

そうするうちに、CS顧客満足度を高めるには、ES従業員満足度を高める必要があると気づき、「ES推進者」という職種で働く人材募集に取り組みました。

とはいえ、人手不足のおり、優秀な人材の確保、新卒採用も厳しい中に、

「週3勤務、14時間、午前でも午後でも勤務可」という形の、今で言う「時短勤務者歓迎!」という募集を出すと、「育児中の女性を中心に語学が堪能な方や、もともと大手企業に勤めていた方などから応募が来るようになった」というのです。

社長にとって、「この出来事が、ダイバーシティ経営に舵を切る直接のきっかけ」となりました。

物流業界の仕事で創業以来、フルタイムで働く男性社員が圧倒的に多かったところに、

「多様な人財が多様な働き方で関わることができれば、人材不足の解消につながる」

一番社内の抵抗が大きかったのが、短時間勤務の女性たちを管理職にしたとき。

この部分は、中小企業の経営者にとても響くと思うので、大橋運輸にインタビューした「男性中心企業の終焉」著者:浜田敬子さんの著書から引用させてもらいます。

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「社内、特に男性からは短時間勤務で管理職の仕事が務まるのかと言う反発が起きた。

「常に残業ができる人」「クレーム対応などで夜遅くまで働ける人」と管理職のイメージが固定化されていたからだ。しかし、管理職に必要な能力は長時間働けることではない。

これまで長時間働いてきた人が何を改善できたのか、むしろ短時間勤務の人がこれだけの職場環境の改善をしたと言う事実を示しました。

目的は良い職場にすること。

短時間勤務の人が責任感がないわけではない。

それを忘れて、フルタイムでなければ責任のある仕事ができないと考える風潮や思い込みを変えていきたいと思ったんです

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大橋運輸は3代目社長の「生き残るために」必死で、女性の採用に取り組んだ結果、

多様な優秀な人材が集まり、多方面から表彰されています。

福利厚生を充実させ、「ダイバーシティの普及」「健康経営の実践」「地域貢献活動」の3つの大きな柱を掲げています。

 

 

表彰される大橋運輸

 

LGBTフレンドリー企業として認定されたり、職場でのLGBTQの取り組み度合いを示す「PRIDE指標」(「work with Pride」主催)でゴールドを受賞。

そして、経済産業省の「新・ダイバーシティ経営100選プライム」や、多様性を尊重し生かす社会の実現を目指す「DIアワード2021」での「中小企業部門 D&I Award 大賞」受賞されています。

https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/diversity/kigyo100sen/index.html

愛知県瀬戸市という地方都市に、優秀な新卒社員が集まってきているのです。

数年前に入社された新卒の女子社員さんが、総務人事広報と活躍されているようです。

彼女が「ダイバーシティ推進室」を立ち上げました。

彼女の発信する記事が素晴らしい!

社長に今までの歴史を綴ってもらう記事はこちらです。

「仕事の付加価値はがつくる。大橋運輸が「ダイバーシティ経営」を始めるまでに積み重ねた改革の歩み」
https://note.com/pr_0084/n/ndb54ce12d52e

 

大橋運輸から学べること、気づき

 

この大橋運輸のダイバーシティの取り組みは、同じような課題を抱える中小企業が、考え行動できるヒントが満載です。

また大企業であっても、ダイバーシティ&インクルージョン、

中小企業こそ、若い人や女性に積極的にチャンスを与えられ、活性化していける。

「うちの業界は特殊だから、いろいろな取り組みができない」と思い込んでいる経営者も多いが、その思い込みを外せないか。

「短時間勤務では管理者が務まらない」というのも、本当か考えてみよう。

組織を変えていくには、既存社員の抵抗が大きいからこそ、トップのくじけないリーダーシップが大切だが、理解できる社員たちも増えてくる。

これからますます人手不足の時代に、社員から顧客から地域社会から選ばれる会社にならないと存続できない。

多様な人材が働くことによって、新規事業のアイディアなどが出てくる。

●なぜ、多様性が重要なのか。本質の理解ができているだろうか。

後日、鍋島社長にインタビューさせていただき、記事を書きました!

大橋運輸の健康経営、ダイバーシティ 成功への軌跡

大橋運輸 女性社員のnoteはこちらです。
https://note.com/pr_0084/n/n212c03709026

 

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