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2014.08.29 起業・経営・会社
お金の苦労をしたとき。

キーワード:リーマンショック

経営にはいい時も悪い時もあります。

リーマンショック後の二年間。
12億も売上を落としました。

毎月、毎月、売上が落ちていく恐怖を初めて味わいました。
売上は減るけど、固定経費が減るわけではありません。
役員報酬を大幅に削減し、交際費や会議費等の経費も自分で負担しました。

会社の経営としては、上場準備の費用を全部やめることによって、社員をリストラすることなく、なんとか黒字にできました。

私は資本金のほぼ全額を自分でいれてましたが、周囲のブレーンや役員にも株を持ってもらい、従業員持ち株会も作りました。

みんなのために自分の比率をさげたので、さらに自分で増資をするのに、個人で銀行から借り入れしました。
これが後で、自分の首を絞めることにもなりました。

自分のお給料を減らして、経費自分持ちにして、その時、月々の銀行やお世話になった方への返済がかなりの金額でした。
毎月定期預金を解約しにいってました。

真剣に生活を切り詰めるというか、日常生活の過ごし方をあれこれ考えてみました。

会社の資金繰りに困ることはなかったので、経営者のお金の苦労からしたら、たいしたことではないかもしれませんが、
個人的には自転車操業の日々でした。

そうだ!周りの人に、日用品やモノをもらいに行こう!!

お金を借りに行ったら、ひかれてしまうだろうけど、せっけんや余ってるものならくれるだろう。
現に私も、頂きものの食べ物や調味料、バスタオルやシーツなど、一人暮らしをする社員にどんどんあげていました。

さっそくお世話になる方々へ、恥を忍んで、
「すみません!せっけんとか、ボディシャンプーとか、お宅に余っているものあったら、頂けませんか?」

みなさんの反応は、驚かれながらも好意的でした。

「まぁ、ゆうこちゃん、いったいどうしたの?」笑いながら聞かれ

「はい、リーマンショックで、会社はなんとか踏ん張っていますけど、個人のお金のやりくりが厳しくって・・・
余ってるものがあったら、よろしくお願いいたします!」

なかには、率先して、その人の親戚の家まで不用品がないか、聞いてくれる人もいました。

「笹川さん、他にどんなものがあったらいいの?」

私は図々しくも、

「はい、洗濯用の洗剤とか、キッチンの洗剤もうれしいです!あと、うどんとか、おそばとか、調味料、油とかも助かります!」

私は実家の母に、時折お小遣いをあげていたんですが、この時期は、

「お母さん、今、苦しいの。だから、ごめんなさい!」と言っては、実家から送ってもらうトマトジュースやお米に助けられました。

あるマダムと、ふとした会話で、「最近、新しいスーツ買ってないんですよ」と言ったら、なんとアルマーニのスーツをくれたんです。

お金持ちは、人にものをあげるときの話し方も素晴らしいのです。
「あのね、失礼だったらごめんなさいね。この服、一度は袖は通したものなの。それでもよろしかったら」

一度しか着ていない高級品を、私に気を遣わせないようにおっしゃってくださいました。
それから、バックや、靴もいただくようになりました。

ストッキングや、タオル、ブランケット、シャンプー、リンス、綿棒、コットン、化粧品、ミネラルウォーターをダースで、などなど。

おかげさまで、日常生活は、なんとかお金の出費をせずして、過ごせました。

私は普段は、ぱーっと人に御馳走しているほうですから、お金がないときは、あまり外に出ませんでした。
ごく親しい人には、ご馳走になりました。

自分がこういう経験をしたときに、思ったのは、「見栄をはらない」って大事だなと。

お金がない時は、ない、と言ったほうがいいでしょうし、無理したり見栄をはって付きあっても、ストレスになります。
こんな経験を女性経営者の集まりで、お話させてもらったら、前列のある女性が、ぼろぼろ泣きながら私の話を聞いていました。

あとで「どうされたんですか!」って聞いてみると

「私、起業して、今、まさに一番つらい時なんです。
でも、こうやって人にものをもらうとか、甘えるとか、まったく思いも浮かびませんでした」

「そうですか。お辛いですよね。一人で苦しまないで、ぜひ、周りの人にものをもらってください!
みんな家にあまりものたくさんあるんですから!」

ただ、大事なことをひとつ。

こうやって何かもらいにいけるのも、日ごろのお付き合いが大切だということ。

自分がいい時には、普段から周りの人にできるだけ親切にする。
お互い様、自分たちのできることで助け合いましょう、という前提で、いつもねだってばかりでは嫌われます。

リーマンショック後の2年間、毎月、定期預金を解約して、そろそろ貯金の底が尽きたかなと思う頃、業績もなんとか落ち着きました。

役員報酬を少し戻して、ほっと一息。
支えてくださった方々に感謝いっぱいです。

落ち着いてからも、なんだかんだと、いろいろなものを頂くので、若い人たちに回しているのです。
困ったときはお互い様。

見栄をはらない。

いい時は、周りに親切に、感謝する。

お金の苦労をしないよう、経営に精進してまいります。

<笹川祐子の感謝ブログ> 創業した会社を上場企業にグループインしましたので、こちらの社長ブログへ移管しました。

 

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