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2025.11.09 本・読書
自分の心に従う勇気 ― スティーブ・ジョブズのスピーチを聴いて

キーワード:Connecting the dotsスティーブ・ジョブズ人生を変えるスティーブ・ジョブズ スピーチ点と点をつなぐ

こんにちは。

ライフ・リノベーター 笹川祐子です。

先日、素敵な若者と出会いました。

シリコンバレーでAIスタートアップを立ち上げた起業家です。

AIの話を聞いてみたくて、交流会で話したあとにオンラインで面談をしました。

その中で、彼の口から「輪読会」という言葉が出てきて、私は懐かしさと驚きで胸が熱くなりました。

私自身、大学時代に男子学生2人と3人で輪読会をしていました。

いまから40年以上も前のこと。

当時でも珍しかったのに、若い世代からその言葉を聞くとは思いませんでした。

そこから本の話で盛り上がり、彼らの読書リストを見せてもらうと、昔感銘を受けた作品も多く、懐かしさとともに、知らない本への好奇心も湧いてきました。

移動が多いので、さっそくオーディブルで聴けるものをダウンロード。

まず選んだのが『Steve Jobs SPEECHES 人生を変えるスティーブ・ジョブズ スピーチ』でした。

ジョブズ本人の声ではありませんが、その一語一語に彼の呼吸と情熱が確かに宿っているようでした。

アップルの創業から挫折、そして再生。

スタンフォード大学での伝説のスピーチ――

その言葉を耳で聴くことで、静かな感動が胸に広がりました。

「ハングリーであれ。愚かであれ。」

「Stay hungry. Stay foolish.」

この言葉はあまりに有名ですが、実はジョブズ自身の創作ではありません。

彼が2005年のスタンフォード大学卒業式で引用したもので、出典は1960〜70年代に発行されたアメリカの雑誌

『Whole Earth Catalog』最終号(1974年刊)の裏表紙にあります。

ジョブズはこのフレーズをこよなく愛し、自らの人生哲学と重ねてスピーチの締めくくりに用いました。

つまり、この言葉を「自分のメッセージ」として生き抜いたことにこそ、彼の真の創造性があったのだと思います。

常識や他人の期待に縛られず、自分の直感に従うこと。

それが、創造の源であり、人生を動かす力になるのです。

Connecting the dots ― 点と点をつなぐ

今回あらためて心を動かされたのは、スピーチの中で語られた「Connecting the dots(点と点をつなぐ)」の部分でした。

実は私自身が講演させていただくときにもよく引用させてもらっています。

「将来をあらかじめ見通して点をつなぐことはできない。できるのは、あとから振り返ってつなぐことだけだ。」

この言葉に深く共感しています。

私自身、20代は失敗の連続でした。

札幌の大学を卒業後、市内で転職を繰り返し、ようやく水を得た魚のように働けたベンチャー企業では、次々と新しいことに挑戦していました。

何でもやってみる毎日。

失敗も多く、社長や常務に叱られる日々でしたが、その分、誰よりも早く経験を積み、結果的にスピード出世を果たしました。

そして東京の事業家にヘッドハンティングされ、上京することになります。

20代で経験した営業・企画・人事・採用・新規出店・ジョイントベンチャー・資金繰り――

そのすべてが、後に起業するとき「復習」のように生きてきました。

あのときの一つひとつの経験が、いま思えばすべて「線」となり、起業、M&A、そして現在の活動へとつながっています。

当時はわからなくても、「これはきっと何かの意味がある」と信じて進む。

すべて、未来への点となる。

それこそが、人生の創造力だと感じます。

「死」と向き合う勇気

ジョブズは病によって、死と深く向き合うことになります。

スピーチの後半で語られた彼の言葉は、静かでありながら魂を揺さぶるものでした。

「もし今日が人生最後の日だとしたら、今日やろうとしていることを本当にやりたいか?」

彼は、死を目前にしてもなお、恐れよりも感謝を語りました。

限られた時間を意識したからこそ、

「他人の人生ではなく、自分の人生を生きる」という覚悟が澄み渡っていたのでしょう。

私も毎晩眠りにつく前に、静かに問いかけます。

「もし明日、目覚めることがなかったら、私の人生はどうだっただろうか」と。

頭をよぎるのは、「あぁ、遺言書が全部できていない」「母の介護のこと」「寄付の手続きも早く進めよう」……

そんな現実的なことばかり。

けれども次の瞬間、

「妹たちがきっとやってくれる」「良い人生だった」「感謝でいっぱいだ」と、穏やかな気持ちに戻ります。

「ちゃんとお返ししていこう。魂と霊格の向上を目指し、光とともに歩いていこう」

そう心の中でつぶやくうちに、すーっと眠りに落ちていきます。

人はいつか必ず終わりを迎える。

だからこそ、愛する人や仕事に全力で向き合い、

今日という一日を、自分の心に正直に生きることが、何より大切だと感じます。


ジョブズは言葉の人であり、沈黙の人でもありました。

彼のスピーチには、派手さよりも「内なる確信」があり、その静けさの奥に、炎のような情熱が見えます。

人生とは、自分という作品を磨き続けるプロジェクト。

点と点をつなぎながら、私たちは少しずつ“自分だけの地図”を描いていくのだと思います。

あらためて、自分の心に従う勇気を持ち続けたい。

そして、魂が震える瞬間を大切に生きていきたいと思います。

 

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