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2025.06.04 介護
「家族は知らない真夜中の老人ホーム」川島徹

キーワード:ホスピス介護介護施設川島徹真夜中の老人ホーム

こんにちは。

ライフ・リノベーター 笹川祐子です。

今日は東京で、しとしとと雨の降る一日。

風も少し強く、気圧の変化に身体がついていかないという声も多く聞きます。

私も打ち合わせやオンライン会議が続いたあとは、無性にポテトサラダが作りたくなって、夜はキッチンへ。

新じゃがに新玉ねぎ、ゆでたまごをたっぷり加えて――素朴な味が、なんだか心に染み入りました。

さて、最近読んだ本で、胸を突かれるような一冊がありました。

川島孝一さん著『家族は知らない 真夜中の老人ホーム』です。

著者は、10年間で8つの施設を渡り歩いた介護職員。

特に「夜勤者」としての視点から、介護の“見えない現場”を描いています。

Amazonの紹介文には、こう綴られていました。

刑務所帰りの女性もいた。「死にたい」とつぶやく女性も。
元歯科医も、元社長も、イレズミの上村さんも――
「ここは刑務所よりひどい」

老人ホーム、そこは人生最後の物語の場である。

この本を読みながら、私は自分自身の経験が次々とよみがえってきました。

父の看取りのときには、ホスピスに妹が約3か月泊まり込み、私も東京と札幌を行き来して、月の半分はホスピスで共に過ごしました。

そして今も、札幌の母の施設では、母の部屋に私用の簡易ベッドがあり、帰省のたびに“泊まり込み”が続いています。

気づけば、ここが私にとっての「もう一つの実家」になっているようにも思います。

施設で泊まり込む家族というのは、そう多くは見かけません。

だからこそ、昼も夜も、職員の方々の様子が見える。

夜勤スタッフの奮闘や、入居者の夜の変化に触れることで、介護の実際が少しずつ肌でわかってきます。

介護の現場に立ち会うことは、自分自身の“未来”を学ぶことでもあります。

加齢によって身体や脳はどう変化するのか。

施設に入ると、日常はどう変わるのか。

どこまで自立して生きたいか、どこから誰かに委ねるのか。

自分の老後に向けて、延命治療の希望も含め、意思をしっかり伝えておくこと。

その重要性を、私はこの数年で深く実感しています。

本書の巻末には介護用語の解説もあり、早めに目を通しておくことをお勧めします。

とくに認知症については、長寿化社会において避けては通れないテーマです。

一方で、認知症が“すべて不幸”とは限らないという視点にも、私は心を留めました。

もし、すべてがはっきりわかるまま老いを迎えたとしたら―

それはそれで、孤独や絶望がより濃くなるのかもしれない、と。

本の終章で描かれる「死にたい、死にたい」と繰り返すおばあちゃんの物語には、ただただ涙がこぼれました。

そこには、“生きる”ということの苦しさと、制度の不備、人間の尊厳にかかわる重たい問いが凝縮されていたように思います。

たとえ高齢になっても、最期の瞬間まで、人としての尊厳は守られてほしい。

私たちがこの社会に生きる一人として、深く心に刻みたいと感じました。

 

 

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