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2026.02.23 本・読書
芥川龍之介の「蜘蛛の糸」

キーワード:オーディブル、耳読、芥川龍之介、蜘蛛の糸、

こんにちは。

ライフ・リノベーター 笹川祐子です。

移動が多いので、オーディブルは本当にありがたく、読書のスピードも進みます。

さらに嬉しいのは、懐かしい小説や文芸作品を手軽に読める(聴ける)というもの。

太宰治や夏目漱石。

最近は司馬遼太郎の「竜馬がゆく」

これは全8巻なので再読はちょっとハードルが高いのですが、耳読ならと聞き始めたところです。

さて、面白く考えさせられた1冊。

子どもの頃に読んだ
芥川龍之介の『蜘蛛の糸』は、
「悪いことをしたら地獄に落ちる」
「結局、根性が治らないから救われない」
そんな教訓の物語として記憶しました。

けれど、大人になって読み返す(聞き直す)と、
ずいぶん違う景色が見えたのです。

これは善悪の話でも、罰の話でもなく、
もっと静かで、もっと厳しい、
「心の距離」の話なのだと思いました。


犍陀多は、一本の蜘蛛の糸を登る。
生前にたった一度、蜘蛛を助けた、その小さな善によって。

途中まで、彼は確かに救われかけている。

でも、後ろから人が登ってくるのを見た瞬間、
「これは俺の糸だ」と思った。
そのとき、糸は切れたのです。

他人を突き落とそうとしたわけでもない。
悪いことをしようとしたわけでもない。

ただ、
「これは俺のものだ」
そう心が掴んだ瞬間に、世界が変わった。


もし自分だったら、どうだろう。

正直に言えば、
私もきっと、半分は
「これは私の糸」と思う。

自我は、強い。

長く経営をしてきて、
責任を引き受けて、
判断をして、
徳を残したいと願うものだ。

だけど、その最後の自我は捨てられないのでは。

きれいごとでは済まないのでは。


でも、同時に思う。

もう半分の私は、
「一緒に助かろう」とも思う。

誰かを支援するとき。
若い人の挑戦を応援するとき。
社員や仲間の人生に関わるとき。

全部を抱え込むことはできない。
代わりに登ってあげることもできない。

それでも、
同じ方向を向いて、
同じ糸を登ろうとする気持ちは、確かにある。


ここで、ふと思った。

御釈迦様の慈悲とは、
「必ず救うこと」ではなかったのではないか。

糸は、与えられている。
登る機会も、与えられている。

あとは、
どんな心で登るかだけが問われている。

経営も、支援も、
実はとても似ている。

助けすぎれば、自立を奪う。
距離を取りすぎれば、孤立させる。

「これは私の成果だ」と掴めば、
人はついてこない。

「一緒に登ろう」と思っても、
相手の足まで動かすことはできない。

その微妙な距離感の中で、
今日も判断をしている。


銚子へ向かう特急電車の窓から、
流れていく景色を眺めながら、思う。

私の中には、
犍陀多の心もある。
御釈迦様の眼差しも、少しだけある。

大切なのは、
どちらかになることではなく、
その揺れに気づき続けることなのかもしれない。

今日の私は、
糸を太くしているだろうか。
それとも、知らないうちに細くしていないだろうか。

せめて今日は、糸を少し太くしていたい。

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