2025.12.26 音楽・映画・ドラマ
才能と長寿と、余韻の残るクリスマス「僕のフレンチ」

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こんにちは。

ライフ・リノベーター　笹川祐子です。

昨日、一足早く札幌の母の介護施設に、年末年始の帰省でやってきました。

年末進行で慌ただしく、東京から移動してきた今も、29日までは週末を含めてオンライン会議が続きます。

場所は変わっても、日常は続いていきますね。

そんな中で迎えた今年のクリスマスイブは、思いがけず、とても豊かな一日になりました。

まずは、ご近所のマダム親子とクリスマスランチ。

チキンにピザ、そしてクリスマスケーキ。

98歳のお母さまはとてもお元気で、食は少し細くなってきているとはいえ、ケーキも美味しそうに召し上がっていました。

嚥下機能がしっかりしていて、内臓が丈夫であること。

それは長寿の大切な条件なのだなあと、改めて実感します。

この辺りでも98歳でご自宅暮らし、しかも元気という方は珍しく、まさに近隣高齢者の希望の星のような存在です。

その後、目黒美術館へ。

北海道の画家、梅田東支子さんの作品が展示されており、ご本人が上京されて合流しました。

100号サイズの大作の前で、画家ご本人から直接解説を伺える時間。

これは本当に贅沢な体験でした。

この作品は、過去から現在へと流れる悠久の時間と、さまざまな場所や記憶が重なり合い、交差していくような構成になっています。

ひとつひとつのモチーフが浮遊するようでいて、全体としては大きなうねりを感じさせる。

観る側の人生や記憶によって、受け取る意味が変わる絵だと感じました。

お茶をしながら、絵の話、そして長寿の秘訣の話に。

画家の方は、長く現役で活動される方が多い印象があります。

葛飾北斎が「70歳までに描いたものは取るに足らない」と語ったという話を思い出しながら、梅田さんもこれからますます大作を生み出していかれるのだろうなと、心から楽しみになりました。

夜は、私が社外取締役を務めている和田裕美さんに誘っていただき、お芝居へ。

観たのは、舞台「僕のフレンチ」。

フランス料理を愛する人々の人生と記憶、誇りと葛藤が、ユーモアと切なさを交えて描かれる、とても濃密なお芝居でした。

料理という「技」と「感性」を軸に、人が生きてきた時間や関係性が浮かび上がってくる。

笑いながら、気づくと胸の奥を静かに打たれている、そんな作品です。

この日の特別ゲストは篠井英介さん。

個性的な俳優さんという印象でしたが、舞台上での存在感にすっかり引き込まれ、気づけばファンになっていました。

そして何より圧倒されたのが、脚本・演出・主演を務める高泉淳子さん。

才能と情熱、その両方が舞台から溢れていて、ただただ脱帽です。

私が心から羨望と尊敬を抱くもの。

それは「才能」です。

舞台は映画と違い、取り直しがききません。

その瞬間に立ち上がる表現、その一回限りの集中力。

その才能を全身で浴びる時間でした。

素晴らしいお芝居に連れて行ってくださって、和田さん、本当にありがとうございました。

札幌に到着してからも、その余韻がふっと心に残る、あたたかなクリスマス。

母の施設でも、笑顔があり、会話があり、穏やかな時間が流れています。

忙しい年末ですが、こうした一瞬一瞬に、感謝を忘れずに過ごしていきたいと思います。

★笹川祐子　プロフィール

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