外国人やその家族が就労ビザを獲得するには!クリアすべき条件や方法を解説

求人募集をかけても応募がない…入社しても長く続かない…といった悩みなどから、労働者不足に悩む企業も多いかと思います。そんな中注目されているのが外国人労働者の雇用です。 日本人を雇用する際と異なる点も多く、クリアすべき条件があります。外国人が日本で就労するための条件や具体的な方法について解説します。


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就労できるビザや条件は?


まずは外国人が日本国内で就労するために必要な「就労ビザ」ともう一つの条件である「在留カード」についてご紹介します。

就労ビザは1人1種類

就労ビザはビザの一種であり、日本に滞在する外国人が就労を希望する際に取得が必要となります。就労ビザはその業種によって18種類に分かれています。たとえば、外交官・弁護士・外国語教師・通訳・コックなど実に細かく分かれています。

日本で就労を希望する外国人はこの19種類の中から、自分が就労を希望する業種のビザを選択します。選択できるのは1種類のみです。つまり、取得した就労ビザの種類以外の活動をして報酬を得ることはできません。

もし別の業種で就労を希望する場合は、在留資格の変更許可申請をおこなった後、ビザの変更をおこなう必要があります。

ただし以下にあげる外国人に限り、業種も職種も制限されず就業することが可能です。

  • 永住者
  • 定住者
  • 日本人の配偶者等
  • 永住者の配偶者等

就労ビザは種類によって有効期限が定められています。有効期限後も就労する場合は、事前に就労ビザの更新が必要です。有効期限が切れた就労ビザは無効であるだけではなく、不法残留に抵触するため、退去強制事由に該当します。

在留カードも必要

外国人が日本で就労する場合にもう一つ必要なのが「在留カード」です。これは就労ビザを取得していることを証明する重要なカードとなります。

氏名、生年月日、性別、国籍・地域、住所、在留資格、在留期間、就労可否など、身分を証明する内容が記載されています。また16歳以上の外国人の在留カードには顔写真も掲載されています。

以前、市町村が発行していた「外国人登録証明書」の役割も担うカードです。ちなみに現在「外国人登録証明書」は「特別永住者証明書」へ変更されています。

在留カードを取得することができるのは、以下の要件をすべて満たす外国人です。

  • 「短期滞在」、「外交」、「公用」の在留資格を持たない人
  • 在留資格を持たない人
  • 特別永住者

また在留カードを取得すれば、原則として日本に3ヶ月以上滞在することが許可されます。

在留カードを取得している外国人はカードを常に携帯している必要があり、警察官や入国審査官から掲示を求められた場合は見せなくてはなりません。万が一、不携帯であった場合は1年以下の懲役刑または20万円以下の罰金刑に処される可能性があります。

また雇用者には外国人労働者が在留カードを保持しているかを確認する義務があります。不法就労を防ぐため、以下を必ず確認しましょう。

  • 在留カード番号の有効性(法務省ホームページで確認可能)
  • 就労制限の有無
  • 資格外活動許可欄の内容

在留カードを確認する際に、パスポートの提示を求め、有効期限が切れていないかや、在留資格や在留制限の有無などを必ず確認してください。

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外国人を雇用する手順とは?


続いては外国人を雇用しようとする際の具体的な手順と方法を、順を追ってご紹介します。

在留資格の確認

一番に行うべきなのが、出入国管理及び難民認定法に規定された在留資格を満たしているかどうかの確認です。在留資格は29種類あり、就労の可否や就労可能な業種および労働時間が定められています。これらは外国人が携帯している在留カードを確認すれば分かります。

基本的に外国人労働者は、在留資格がある業種に限り就労することができ、報酬を得る事が許されています。そのため、在留資格外の業種に従事し報酬を得ようとする場合は、「資格外活動許可」の申請が必要となります。ただし新たに申請する業種が本業を妨げるものであってはなりません。

在留資格の一つである「特定活動」には外国人看護師・介護福祉士、就職活動をしている元留学生、ワーキングホリデーで来日している外国人が該当します。ただし従事できる業種や労働可能時間は個別に定められているため、パスポートに留められている「指定書」の確認が必要です。

ちなみにワーキングホリデーで来日している外国人の特定活動に対しては、労働時間の制限はありません。ただし風俗営業などにまつわる活動はできません。

留学生がアルバイトをする場合は、労働時間は1週間に28時間以内と定められており、勉学に支障をきたさないことが条件です。

各種の書類を申請する

雇用しようとしている外国人の在留資格が問題ないことを確認したら、いよいよ雇用するための各種書類の申請手続きに入ります。

まずは「雇用契約書」を作成します。就労ビザを申請するにあたって、日本で実際に働くことを証明する書類として必要です。以下の3点に留意しましょう。

  • ・業務内容が、採用予定者の経歴(学歴職歴)に対応していること
  • ・「本契約は日本政府により入国(在留)許可されない場合は発効しないものとする」の注意書きを必ず記載すること
  • ・トラブルを避けるために、採用予定者の母国語の契約書も作成すること

次に「在留資格変更許可申請」または「在留資格認定証明書交付申請」を入国管理局に行います。前者は既に取得している就労ビザと異なる業種に従事する場合に行います。後者は新規に就労ビザを申請する場合に行うものです。

最後に、ハローワークに「外国人雇用状況の届出」を行います。外国人を雇用する場合、またその外国人が離職する場合は、事業主はハローワークへの届出義務がありますので忘れず行いましょう。雇用する翌月の10日が届出期限となっています。届出を忘れると罰金を科されることもありますので注意が必要です。

外国人就労はハローワークや人材派遣会社で申し込み

外国人を雇用したい場合は、お近くのハローワークで申し込みをすることも可能です。マッチングを目的とした就職説明会なども開催されています。

外国人労働者就労に際して相談や不安がある場合に、厚生労働省が策定した外国人雇用管理アドバイザー制度を利用することもできます。申し込みはハローワークで受け付けており、相談は無料です。

それ以外にも人材派遣会社を利用する方法もあります。せっかく雇用するなら自社にマッチした、専門性に特化した人材が欲しいと願うなら非常に有効でしょう。

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まとめ

コンビニはもちろん、さまざまな場面で外国人労働者の姿を見ることが当たり前になってきました。外国人の雇用は在留資格および就労条件を確認し、決められた手順に沿って行えば、雇用拡大に大きく役立つことでしょう。