企業の外国人採用が増えているのはなぜ?理由を徹底解剖!

近年、日本の経済界から、外国人労働者に大きな期待が寄せられています。なぜなら、ネームバリューがある大きな一部の有名大企業を除いて、大多数の中小企業は優秀な人材確保が困難になっているからです。 しかし、外国人労働者を雇うには言語や文化の壁など、不安要素があることも確かです。 それにも関わらず、なぜ多くの日本企業が外国人労働者の雇用に積極的な姿勢を示すようになったのでしょうか? 今回は、多くの企業が外国人労働者を採用したがる理由を解説します。


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外国人採用をする企業が増えている理由って?

近年、日本で外国人労働者を採用する企業が増えている背景には、次の3つの理由があります。

(1)外国人観光客が増え続けている
(2)労働者の慢性的な人材不足
(3)外国人労働者の受け入れ拡大

それぞれについて、解説します。

外国人採用をする企業が増える理由その①~観光客が増え続けている~

外国人労働者の力が必要とされる背景のひとつには、「増え続ける外国人観光客への対応の必要性」が挙げられます。

訪日外国人観光客の数は、ここ10年ほどは増加の一途を辿っており、2018年にはついに3000万人の大台を突破しています。それゆえ、東京や京都など有名な観光地は、連日大勢の外国人観光客で賑わっています。

今や外国人観光客は、日本経済にとって見過ごせない一大消費者となっているのです。

そのような外国人観光客に対するビジネスにおいては、言語や文化の違いが大きな壁となります。そのため、外国人観光客を相手にした商売では、外国語の話者や外国文化に精通したスタッフの需要が高まっています。

たとえば近年、京都の土産物店では、英語を自在に話せるスタッフの常駐は珍しくありません。

しかし、労働市場において売り手市場が続く昨今、外国語を話せる優秀な日本人を雇うことは簡単ではないのです。そのため、日本人スタッフに代わって外国語を話す外国人労働者に注目が集まっています。

観光産業が、外国人労働者を雇用するメリットは言語だけではありません。商品やサービスを利用するお客様と同じ国籍の外国人スタッフを雇っている場合、日本人では気づかないお客様のニーズを掘り起こすことも可能です。

文化や習慣を共有している外国人同士の方が、対応もスムーズな場合も多いのです。

労働者の慢性的な人材不足

理由の2つ目は、日本社会が抱える労働者の慢性的な不足の問題があることです。

少子高齢化が進む日本では、毎年多くの人が定年退職を迎える一方で、社会に出て働き始める若い世代は減少を続けています。

総務省の統計によると、15歳~64歳までの生産年齢人口は、1995年の8,716万人をピークに、一貫して減少しています。推計値では、2040年頃には生産年齢人口が全人口の約半数にまで減少する見通しです。

[参考]総務省「令和3年情報通信白書」

地方においてはとくに、労働者不足の傾向が見られます。なぜなら、気力ともに備わっている若い世代は活躍の場を求めて都市部や海外に出ていってしまうため、地方には働き手が残らないからです。

また、先述の外国人観光客の増加に伴い、販売業や外食業、宿泊業などは、深刻な労働者不足に陥っています。とりわけ外食業と宿泊業は、人材不足解消のため、政府主導で外国人労働者受け入れの対象産業として指定されるほど状況が深刻です。

外国人労働者の受け入れ拡大

少子高齢化の進展により、深刻な労働者不足に陥る日本。状況を改善するために、2019年4月より新たな在留資格「特定技能」が創設されました。これが外国人労働者に注目が集まる3つ目の理由です。

特定技能在留資格は、従来からある「留学生」や「技能実習」とは違い、明確に日本産業の労働力不足を補う目的で作られました。

特定技能の資格で外国人労働者を受け入れられるのは、外食業や宿泊業、建設業、介護業など、政府が定めた12の分野です。

特定技能にも2種類の資格があり、12分野すべてに認められた特定技能1号と、建設業と造船船用工業の2業種のみに認められた特定技能2号の2つです。

特定技能では、各業界が定める技能試験と、最低限の日本語能力を証明する日本語試験に合格した即戦力の外国人労働者を受け入れます。

※特定技能1号、2号の解説 外国人受け入れ枠が更に拡大!特定技能ビザについて

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外国人が日本で働く理由は何なの?

日本企業が、外国人労働者に大きな期待を抱いていることはわかりました。また、外国人労働者も日本での仕事や生活に期待を膨らませています。

外国人労働者は、他国ではなくなぜ日本を選ぶのでしょうか。ここでは、その理由を解説します。

1番の理由はやっぱり日本が大好き!

外国人が日本で働きたいと思う理由の1つが「クールジャパン」に代表される日本文化です。

代表的な日本文化の1つに、アニメ文化があります。日本のアニメは海外でも大人気です。

たとえば「欧州一のアニメ大国」フランスでは、国民のアニメ好きが嵩じて、漫画やアニメ、ゲームなどの日本文化の祭典「ジャパンエキスポ」が一大イベントになっています。

また、日本のアニメはアジア各国でも人気が高く、近年の中国では質の高い日本アニメに追従しようと、国策で漫画・アニメの振興を始めています。

日本が世界に誇る「和食」も、クールジャパンの一つです。先進国での健康志向の高まりを受けて、海外セレブを中心に、ヘルシーで美味しい和食を食べる文化が根付いています。

日本に留学経験のある外国人のなかには、これらの日本文化に接するうちに日本がさらに好きになり、来日して就職までする人も少なくありません。

治安の良さも日本で働く理由のひとつ

外国人が日本で働きたいと思うもう1つの大きな理由に、治安の良さがあります。

日本の犯罪率は他国と比べると非常に低いです。
法務省の「令和4年度版 犯罪白書」に記載のある2019年のデータでは、

強盗の発生件数・発生率が

①日本 1,511件(発生率1.2%)

②フランス 28,524件(発生率43.8%)

③ドイツ 36,052件(発生率43.2%)

④米国 268,000件(発生率81.4%)

 

殺人の発生件数・発生率は、

①日本 319件(0.3%)

②フランス 861件(発生率1.3%)

③ドイツ 623件(発生率0.7%)

④米国 16,669件(発生率5.1%)

となっています。

〔参考〕日本の犯罪率は低い!殺人事件は人口10万人当たり0.2件 | nippon.com
法務省:令和4年版犯罪白書 (moj.go.jp)

さらに、平成29年~令和3年の犯罪率を見ても、人口当たりの犯罪総数は減少を続けており、治安が保たれていることがわかります。

[参考]警察庁「令和4年警察白書統計資料」

このように、日本は世界でも有数の治安の良さを誇り、海外での生活に不安を覚える外国人にとって安心して暮らせる国といえます。

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外国人採用には人材サービスを使用するのがおすすめ

労働人口の減少によって、多くの業界が人手不足の問題を抱える昨今。若くて優秀な外国人労働者の受け入れは、多くの企業にとって希望が持たれています。

しかし、外国人労働者の受け入れ拡大は、始まったばかりです。大多数の企業は、外国人の求人など行った経験がないのではないでしょうか。

外国人労働者の求人や受け入れには、法律や制度が関わってくるため、外国人材に精通している会社のサービスを利用するのが最も安全でスムーズです。専門家の意見を聞きながら求人活動を進めることで、無用なトラブルを防ぐことができます。

 

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まとめ

訪日外国人の増加や少子高齢化により、深刻な人手不足を抱える日本の企業。国内のみでは不足する労働者の獲得が期待できない現在、海外から優秀な若い人材をいかに呼び込むかが喫緊の課題です。

日本では外国人採用に積極的な企業が増える一方「クールジャパン」の浸透や世界有数の治安の良さにより、日本で働きたい大勢の外国人労働者がいることもまた事実です。

外国人の雇用に精通した人材会社を活用し、優秀な外国人労働者の獲得を目指しましょう。